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2014-06-06 (Fri)
○小宮山委員 大変長らくお待たせをいたしました。貴重な休憩時間をいただきまして、ありがとうございます。
 ただいまより、小宮山たかしの総括質疑をさせていただきます。

 個人的な話になりますが、私は元アーティストでありました。20代の終わりごろ、商業カメラマンではない芸術写真家を目指して、いろいろとあがいていたことがありました。写真展を開催したりして、日本で三本の指に入るとも言われる写真の新人賞を受賞したこともありますが、芸術写真で食べていくことはやはり厳しく、30歳という節目を迎えたことを機に、私は挫折をして商業カメラマンの道を選びました。こうした若き日の挫折というものは、いつまでも刺さったとげのように忘れることのできない、甘酸っぱくてほろ苦い青春の思い出であります。

 さて、今回の総括質疑におきましては、私自身がアーティストであったというバックグラウンドを生かして、文化芸術の振興について質問をしたいと思います。
 中野区は、いわゆる中央線文化の入り口のまちとしても知られ、ブロードウエイを中心とするサブカルチャーのまちとしても近年注目をされています。また、統計上でとらえることはなかなか困難ですが、お笑い芸人が多く住むと言われていますし、都心に出やすく、比較的家賃が安いという立地から、フリーのクリエーターや若手アーティストが比較的多く住んでいるような印象も個人的には受けています。
 文化芸術は、人々の創造性を育み、人々の心のつながりや、相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものであります。
 しかし、区として文化芸術の振興に積極的に取り組んでいく印象は全くありません。ブロードウエイがサブカルの聖地として注目されているのは、民間の企業努力によるものですし、最近も、アールブリュットに関する展覧会等が区内の各地で行われていましたが、中野区は、後援名義をつけて広報活動への協力をわずかにしたものの、区として積極的な支援策を講じているとまでは言えない状況の中、民間団体同士が連携し合っているのがあのアールブリュットの現状であります。
 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)を見ますと、文化芸術振興プログラムの策定ということが書いてありますが、この文化芸術振興プログラムというものは一体どうなってしまったのでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) お答えいたします。
 文化芸術振興プログラムにつきましては、まちづくりと連動いたしました産業活性化につながる文化芸術振興策といたしまして、文化コンテンツにかかわる産業振興につきましては、平成24年10月に策定いたしました中野区産業振興ビジョンに、また、にぎわい・文化・観光そのものの振興につきましては、平成24年6月に策定をいたしました中野区都市観光ビジョンにより方向性を示したところでございます。
 具体的な取り組みにつきましては、毎年度の予算の中で構築、実施をしているところでございます。

○小宮山委員 観光のために文化芸術があるわけではなく、文化芸術のあるところに観光が生まれるのです。また、産業は、その定義にもよりますけれども、産業と呼ばれるもののほとんどは、生活のために必要な物質的な豊かさを目指すものであります。その産業を振興する計画の中に心の豊かさを目指す文化芸術が含まれてしまうのはいかがなものかと私は考えています。文化のないところにまちの発展はないというのが、かつて台東区名物区長と言われた内山榮一先生という方の言葉であるそうです。そもそも、中野区の組織の中で文化芸術にかかわる分野は一体どこなのでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 政策推進室都市観光・商業振興担当でございますが、多彩な魅力あるにぎわいのまちの実現の観点から、歴史的文化資源を初めといたします食文化、サブカルチャーなどの多様な文化芸術活動の観光資源化に向けました環境の整備、それから、さまざまな文化・表現活動に対します後援や広報、PRなどの支援を行っているところでございます。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) それからもう一つ、健康福祉部学習スポーツ担当では、実り豊かな学習の機会創出という観点から、気軽に文化芸術に親しめる機会の提供を指定管理者委託事業等として行うとともに、文化財保護や周知についても取り組んでいるところでございます。


○小宮山委員 先ほども言いましたように、産業や都市振興のために文化があるわけではありませんし、でも、世の中には文化系と体育会系という言葉があるように、スポーツを管轄する担当が文化も担当してしまうことに大きな違和感があります。まして、健康福祉部が文化芸術を管轄していることに至っては、むしろ恥ずかしささえ私は感じております。
 では、それぞれの分野の中で、文化芸術の振興にかかわっている職員さんは何人いて、具体的にどんなことをされていらっしゃるのでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 当所管でございますけれども、都市観光推進担当の職員5名がかかわってございます。
 区内伝統工芸の支援でございますとか、表現・文化活動の支援施設でもございます中野マンガ・アートコートの運営管理、その他民間の文化芸術活動に対しますさまざまな調整、広報、PRなどの支援を行っているところでございます
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 学習スポーツ分野では、生涯学習の推進の面から、文化芸術の振興にかかわる職員が10名、文化財保護・周知の観点から携わる職員が2名、合計12名で担当してございます。
 生涯学習の担当では、中野ZERO、野方WIZ等の指定管理者とさまざまな事業を展開するほか、情報誌「NiCES(ないせす)」の発行、生涯学習活動や講師を紹介するサイト「まなVIVAネット」や、施設予約サイト「ないせすネット」の運営等に当たってございます。
 また、文化財担当で行っている主なものとして、歴史民俗資料館の運営がございます。大小合わせ年間30もの企画事業は、そのホームページで掲載するポスターの完成度の高さも好評を博しまして、遠方から来館者も増加してございます。
 また、往年の名作映画とともに、過去の区の広報映画を毎月上映するキネマれきみんも、リピーターがふえ、来館者は3年間で4,000人以上ふえ、3万7,000人近くに及んでございます。
 このような取り組みを健康福祉部が担当することは胸を張って言えることだと思っておりまして、子どもから大人まで、生涯にわたって生き生きと自分の力を伸ばせるまちづくりが目指す姿でございます。
 これは、健康で文化的な心豊かな生活の実現のことであり、スポーツを通じた健康増進とともに、区民が地域に根差した文化財に愛着を持ちながら、さまざまな文化芸術活動に参加し鑑賞できる環境を整える取り組みについても、健康福祉部が関係部と連携しながら総合的、戦略的に取り組んでいくことが効果的な施策展開に資するものと考えているものでございます。


○小宮山委員 御丁寧な答弁をありがとうございます。
 お隣の豊島区の場合ですけれども、豊島区には文化商工部という部がありまして、その下には文化デザイン課や文化観光課という課があり、総勢60名程度の職員が文化政策にかかわっているそうです。
 豊島区では、古書店を経営していた高野区長が就任して以来、文化によるまちづくりを進め、都市文化政策懇話会を設置して、豊島区の文化政策に関する宣言を出したり、文化創造都市宣言を出したり、文化芸術振興条例を制定したり、としま未来文化財団をつくったりして、箱物だけでない文化芸術の振興を、それはもう積極的に推進しています。
 文化は、すぐに答えが出るものではなく、投資をすることでまちが育ち、文化が育ち、結果としてまちがにぎわい、収入や財政状況も変わってくると高野区長は言っており、事実、豊島区の財政状況は高野区長になってから大きく改善されております。
 ここ中野区は若者の多いまちです。例えば、ダンスとか演劇とか音楽とか漫画とかサブカルチャーとか、いわゆる若者文化の芽、その萌芽を区内のあちこちで見かけることができます。わざわざ種をまかなくても、既にもう芽が出ている。だったら、そこに水をあげて、肥料をあげれば、大きく、大きくその芽は育っていくはずなのです。なのに、それをしない。もったいないじゃありませんか。

 例えば、たとえ話なので余りやじらずに聞いていただきたいのですけれども、なかのZEROのプラネタリウムの新調をするとか、区立美術館の新設をするとか、漫画とかを集めたサブカルチャーミュージアムとか漫画美術館をつくるとか、今ある歴史民俗資料館の中に昭和時代の風俗関係資料をもっともっと充実させるとか、区民劇団とか、区民楽団とか、区民合唱団とかをつくるとか、フィルム・コミッションをつくるとか、四季の森をアーティストの自由区として開放して、東京都のヘブンアーティストのように、中野区が公認したストリートミュージシャンに歌ってもらったり、大道芸人がパフォーマンスをしたり、アーティストの絵やポストカードや作品などの販売を自由にできるような場所にするとか、お金をかけなくてはできないこともありますが、お金をかけずにできることもいろいろあるのです。あとは、やる気の問題なのです。
 例えば、静岡県の浜松市の場合、ヤマハや河合といった楽器メーカーがあるという立地から、音楽のまちとして、まちのブランディングや文化芸術の振興を行っています。浜松市のように対象を特化することも一つの方法です。
 ここ中野区では、民間主導の形で、サブカルのまち、オタクのまちと言われることが多くなってきています。区として、サブカルチャーやオタクのまちと言われることに対してどのように考えていらっしゃるでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 区には、歴史的文化資源、それから、食文化、芸術、演劇など、多様な文化が存在しているところでございます。御案内のアニメや漫画などのいわゆるサブカルチャーといったことにつきましても、内外から集客、それから注目度も高まっていると認識してございます。これらは、区のイメージ向上に資するなど、中野の象徴の一つであると認識してございます。

○小宮山委員 サブカルチャーはともかく、オタクのまちと言われることには抵抗を感じる人も少なからずいらっしゃるでしょうし、そもそもブロードウエイを中心とする限られたエリアのイメージを中野区全体のイメージとしてこのまま定着させてしまっていいかどうかという議論も必要であります。
 国では、文化芸術振興基本法や文化芸術の振興に関する基本的な方針を定めています。中野区としても、やはり、行き当たりばったりで文化芸術を産業にしたり観光にしたりするのではなく、明確な基本方針を立てるべきであると思いますが、いかがお考えでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 先ほどの答弁と重なるところもございますけれども、区における文化芸術振興策につきましては、産業振興ビジョン、それから都市観光ビジョンにおいて方向性を示しているところでございます。
 今後も、国や都の方針などを踏まえつつ、区の特徴でございます多様な文化芸術、またはそれらの活動の振興につきまして、それぞれのビジョンの中で示す取り組みを適切に推進していきたいと考えてございます。


○小宮山委員 今回の予算の中で、文化芸術の振興に直接かかわる予算には、文化財に関するものや伝統工芸に関するもの、また、公益活動助成のうち、文化芸術に関するものなどが見られます。しかし、公益活動の助成は、個人ではなく、団体に対するものなので、対象や用途が限られてきます。
 また、文化財や伝統工芸も文化の一つの形ではありますが、先ほどから申し上げているように、中野区は若者まちです。10か年計画にも、若手芸術家・芸能人の支援ということがはっきりと書かれています。
 文化財や伝統工芸という渋い文化の振興と同時に、中野区独自の若者文化の振興の支援を行い、それを将来の中野のまちの資産として投資をしていくべきではないでしょうか。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 演劇やダンス、お笑い、漫画、アニメ制作、音楽活動などの表現文化活動にかかわります若い世代が育つ場といたしまして、桃丘小跡施設を活用いたしました中野マンガ・アートコートとして展開を図っているところでございます。こうしたことに加えまして、若者に人気がございますアニメソングDJイベント、それから、コスプレイベント、ステージイベント、それから、食文化でのつけ麺味めぐりイベントなど、多様な文化活動の開催に関する誘導、後援、広報、PRなど、若者文化の振興につきまして、多面的な支援を図っているところでございます。
 地域特性を踏まえつつ、今後もこうした支援を適切に推進してまいりたいと考えてございます。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 文化財所管といたしましては、若者にもぜひ渋い文化にも触れてみて、中野という地域を愛していただきたいと思っております。
 一方で、野方WIZを舞台にクラシック音楽の若手演奏家の発掘、発表の場となるコンサートを指定管理者に委託して実施してございますほか、若者対象のワークショップとしてゴスペルシンガーにチャレンジするもの、また、プロのダンサーとともにパフォーマンスを行うものなども行っております。
 今後も、若者の多彩な文化が中野に根づき、幅広い世代の区民が地域で生きがいを感じられるよう、指定管理施設等の十分な活用も含め、芸術文化の振興や支援に努めてまいりたいと思っております。


○小宮山委員 多様な支援をしているということですけれども、予算としてはほとんど見られないのですよね。予算の面でも支援をしていただきたいと思っております。
 豊島区では、区長室で区長みずからが演劇等のチケット販売をしているそうです。そのため、としま未来文化財団という財団を立ち上げて、区長みずからがトップに就任しています。区長は、この人を押せば何枚売れるという独自の人脈を生かした、まさに文字どおりのトップセールスを行っているそうです。
 これまでの田中区政3期11年の実績うち、財政再建、産業振興、駅前再開発などについては、私も僣越ながら高く評価をさせていただいております。これまで、田中区長は、子どもや子育てには冷たいと言う区民もいましたが、ここ数年の毎年200人規模の待機児数対策や、本町二丁目、本町五丁目、(仮称)南部防災公園、弥生町六丁目など、矢継ぎ早というよりも、機関銃のよう勢いでの大規模公園の新設などは、これまでの悪評を覆すものであると私も再度僣越ながら高く評価をさせていただいております。

 しかし、やはりノーバディーズ・パーフェクト、だれも完璧な人間はいないものです。中野区は、これまで、いろいろな計画の中で文化芸術の振興をうたっていますが、実際に何か具体的な事業に着手しているわけではありませんし、なぜか健康福祉部が文化芸術を管轄していたりする。こうして、中野区において文化芸術が軽視されてしまっていることこそが、先輩議員の皆さんがおっしゃるところの多選の弊害なのかなと。やはり、同じ人が同じことばかりをやっていては、どうしても偏りが出てくるし、見落とされてしまうものも出てくる。

 私は、もうあと1年ちょっとしか区役所にはいられないでしょうから、言いたいことを言いたい放題言う。それが自分の役割だとも思っています。しかし、人生の大半を区役所で過ごす区の職員の皆さんはそういうわけにはいきません。自分の提案や発言がなかなか実現しないとなると、やる気もだんだん失せていきますよね。かといって、私のように言いたい放題言うこともできない。多選を重ねるうちに天井がどんどん重くなってくるような、どうしようもない無力感を中野区の職員さんは感じていらっしゃるのではないのかなと。やっぱり、これが先輩議員の皆さんが言う多選の弊害なんだろうなと私も改めて感じているところでございます。

 中央線文化の入り口としてサブカルチャーと独自の文化芸術の振興を図り、四季の森をアーティスト自由区として開放するなど、若手芸術家、芸能人支援を求めたいと思います。
 これがこの項の最後の質問になりますが、これまで文化芸術に余り力を入れてこられなかった田中区長のもとで、今後、10か年計画等に書かれているような文化芸術の振興策が本当に実現していくのかどうか、担当者の方の御意見をお聞かせください。

○滝瀬都市政策推進室副参事(都市観光・商業振興担当) 区にはさまざまな多様な資源が存在しているところでございます。これまで、さまざまな形態によりまして適切に文化振興を図ってきたものと認識してございます。
 今後も、時代の変遷や区を取り巻く環境の変化を踏まえつつ、適切に振興を図っていきたいと考えてございます。
○浅川健康福祉部副参事(学習スポーツ担当) 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の文化芸術のまちづくりの推進の主な取り組みは、文化財の保護と活用に出ている区内の歴史的建造物の調査、記録、保存では、その調査の過程で、国指定の登録文化財の登録へと手を挙げる動きが出始め、既に今年度に1件、登録文化財となる実績を上げたものでございます。
 また、歴史文化ゾーンの策定整備の取り組みは、哲学堂公園や野方の配水塔を一つの散策ルートとしてまとめまして、中野のまちの魅力として紹介するものでございますけれども、単に歴史文化財だけでなく、都市政策推進室が所管し、広く中野の観光資源を周知、活用する中野区認定観光資源の取り組みの一環として結実し、さらに発展的に活用される予定でございます。
 なお、哲学堂公園の整備につきましては、都市基盤部と連携し、哲学堂公園保存管理計画の策定や具体的な整備計画の策定過程に文化財担当として参画いたしまして、歴史的文化遺産として適切に保存、復元し、中野の文化の一つの顔づくりを目指しております。
 いずれも、10か年計画やその他の文化振興政策を全庁で連携しながら着実に推進している例であると思ってございます。
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